とつとつエッセイ「好きなゲーム」

「好きなゲーム」
  西川 勝 / 臨床哲学者・看護師

 ずいぶん昔、インベーダーが大流行で、みんなが夢中になっているのを横目で見ていた。だが、看護師国家試験の前日にゲームボーイで徹夜したのは、その自分だった。孫がいても不思議じゃないこの歳になって、気がついたらスマホでゲームをしている。電車通勤の暇を潰すつもりが、日常生活を侵略している。でも、なんとなく自分を許している。そのゲームの名は「風来のシレン」、中年の頃にもスーパーファミコンでずいぶん遊んだ。
 このゲーム、なかなか人生を教えてくれる。苦労して経験値を積み、道具を強化しても、少しの気の緩み、運の悪さでゼロからのやり直しを強いられる。かといって努力や苦労をしなければゲームクリアする見込みは全くない。失敗したときには取り返しのつかない結果がまっているが、その失敗こそが自分を少しだけ賢くまともにしてくれる。大切なことは恐るべき失敗からしか学べない。ぼくの厳しい師匠ゲームだ。

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