とつとつエッセイ 「きめ細やかなことば」

文化人類学カフェだより 「きめ細やかなことば」
  豊平 豪 Toyohira Takeshi / 一般社団法人torindo

 先日、小学1年生の息子が、日記の宿題に取り組みながら、突然、床をごろごろ、クッションを蹴ったりしはじめました。なんでも表現したい感情があるのに、ぴったりのことばが見つからないそうで、「『苦労しました』のむこう側で、『大変でした』の3ミリ手前のことばなのに~」とじたばたしています。

 <シリーズとつとつ>で西川勝さんは、いつも「『思った』ことではなく『感じた』ことをことばに!」とおっしゃいます。「感じた」ことは、わたしたちが「思った」とき、すぐにことばに落とし込まれて整理されます。でも、「うれしい」にも「かなしい」にもいろんなバリエーションがあるはずです。

便利で簡単なことばにすぐに逃げるのではなく、四苦八苦しながら、なんとか「感じた」ことを相手に届くことばにつむぐ。きめ細やかさとはそこから生まれます。息子が向き合っていたのは、まさにこの作業だったように思うのです。いつごろから大人はそれを忘れてしまうのでしょうねえ。

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