母方の父母のお墓は、西舞鶴の日星高校の裏手の山、五老ヶ岳の懐に大きな十字架の立っているところだ。足腰が弱くなってから2年余り、母はこのお墓に行くことがなくなった。近頃では特に歩行がおぼつかなくなり、坂道や階段のある現地へ出向くことは到底ムリだ。ところが、困ったことが起きた。自分の親が亡くなっていることをすっかり忘れている。葬式を出したのか?墓はどこにあるのか?どうして誰も教えてくれないのか!とどうにも止まらない。母が墓参りしている写真を見せても思い出せず、ヒステリー状態になっている。
あまりのしつこさに堪忍袋の尾が切れてしまった。