人材不足を考える その1
2023年3月31日

高い離職率は悪いことばかりじゃない。

本年度2022年の退職者数は25名でした。24.8%の離職率です。
この数字は開設来最多です。その要因はなんだったのでしょうか。
じつは2021年より業務改革を始め、社内SNSによる情報共有、アセスメントのあり方などについて、職員に対し変化球を投げつづけました。
2022年3月にクラスター発生を経験したことで、コロナ禍による厳しい環境のもと、ふたつの重要課題を中心に職員のメンタルが二極化しました
ひとつめは、定着しなかった施設長への報告と施設内の情報共有。ユニット閉鎖という非常時をきっかけに、施設長の求心力がいっきに高まりました。これを受け入れる人とできない人に分かれます。
ふたつめは、タテ流れの組織からクモの巣状組織へ転換したこと。役職がすべてなくなり、職員ひとりずつの上司は施設長となりました。これも職場権限ありき派とどうでもいい派に分かれます。
離職者のなかには、フラットでオープンな人間関係を提唱する組織に、どうしても馴染めない人が少なからずいました。
気に入らない職場にいつづけるのは、本人にはもちろん、施設にとっても不幸なことなのです。努力はしてみたけれど、どうしても自分の居場所が見つからない人は施設を去らざるをえません。
社内の24.8%が新しくなる。
これは家にたとえると、ダイニングとキッチンを改装くらいのインパクトがある数値です。離職率はイコール決壊率ではなく、改築率だと考えます。減った人数を補充、ではなく何か新しいことへの一歩だと。

ましてや人のことです。対人関係はSNSによって修復と構築を重ね、きゅうくつなメンタルに余地を与えます。新しい習慣に気づかないまま、人間関係や価値観がもみほぐされていきます。

進まない業務改革が走り出す。
高い離職率が発生しても、けして悪い方にばかり目を向けず、業務改革のチャンスととらえるのが望ましいです。えてして業務改革は理想を並べがちですが、その内容を見直す機会でもあるのです。
私たちは管理にとりくむのではなく、人が持つ潜在力に期待し、その可能性を夢見る組織でありたいと思います。